はじめてのOCI見積もり|何をどう選べばいいの?をずばり解決 第20回 DBひとりでできるもん責任者のつぶやき♪

みなさん、こんにちは!山本です。
第20回DBひとりでできるもん責任者のつぶやき♪です。
みなさん、OCIの見積りをしていますか?私もよく見積書を承認したり、請求書を見て支払い承認したりしていますが、色んな単語が並んでいるな~全体像が欲しいなとなっているので、これを機に纏めなおしました!

今回、オラクル社の公式動画を参考に勉強し直しました。ありがとうございます。
ベテランのみなさまには釈迦に説法かと思いますが、自分用覚書として、またこれからOCIを利用しようとされるかた向けに記載できればと思います。
※本記事は2025/04/25現在のものです。内容が変更になる場合がございます。

そもそもOCI(Oracle Cloud Infrastructure)とは?

OCIは企業がデータやアプリケーションをクラウド上で安全かつ効率的に運用できるようにするためのクラウドサービスです。

ありきたりな説明になってしまいそうなので、OCIの大きな特徴の一つである
高い処理性能と圧倒的なコストパフォーマンスに関して記載します。

1 他社クラウドと比較してネットワークが低遅延なため高い処理性能を維持
2 必要なクラウドサービスを必要な分だけ使うことができるので、必要以上のコストをかけなくてもよい
3 効率性の高いコンパクトなデータセンターの仕組みのため、価格設定を低く設定できる
4 データ転送コストが、他社クラウドより圧倒的に低価格(月々のランニングコストに影響)
OCIなら基本データ転送コストが無料

当事業部もOCIを利用していますが、感覚的にもかなり安いです。
また、お客様のミッションクリティカル・システム領域でもOCIの採用が進み、最大90%コスト削減を実現した例もあります。

全体的な構成図

私が最初に躓いたのは、今どこの部分の見積をしているのか、何の項目が必要なのかわからないという状況でした。
OCIではWeb ServerとAP Serverは「Compute」というサービスを利用?など、初歩的なところからよくわかりませんでした。
みなさんはどんなところで躓いていますでしょうか?難しいですよね。

そこで以下、基本的な構成図(よくある3層構成)を用いて説明します。
OCIの見積対象はピンクの文字の部分です。
お出かけする時に全体マップで位置を把握してから移動する みたいな話です。ちょっと違うかも?

お客様 Data CenterからVPN接続でOCIに入り、Load Balancerを使って負荷分散させて、Web Serverにアクセス、そこからAP Serverへアクセスして様々な処理を行い、DB Serverからデータを持ってくる。
Block Storageはそれぞれのサーバーにアタッチさせて使用。バックアップ用にObject Storageという図です。

OCIを見積もるために必要な情報とは?

Compute、Database、Storage、Networkの情報が必要です。

Compute

そもそもComputeサーバーを借りることのできるサービスを表します。
Web ServerとAP Serverはこのサービスを利用します。

見積に必要な情報
1 インスタンス お客様の要件に応じて選択します。
①VMインスタンス(仮想マシン環境)、
② ベアメタルインスタンス(占有サーバー環境) 
2 シェイプ • 用途に応じてインスタンスのシェイプを選択します。
• 必要OCPU数、必要メモリ数の情報が必要です。
①Standard、②Dense I/O、③GPU、④HPC/Optimized
3 利用時間 お客様が利用する予定の時間を入力します。
※ストレージは、課金を停止できません。
4 ストレージ容量 ブート・ボリューム用のストレージ(ブロック・ボリューム)が必須です。データ格納用のストレージが必要なことがあります。
5 各ComputeのOS Oracleが提供するOSは無償です。
Windowsを利用する場合は、Windowsのライセンス費用を含める必要があります。

これでcomputeの部分は完了です。

OCIで利用できるOSに関して、オラクル社提供のイメージと、OCIに持ち込むことのできるイメージも是非確認くださいね。対応OSは随時更新されます。

Database

次はDatabaseです。
OCIで使うことのできるDatabaseは4種類あります。

Automated(従来のDatabase) Full-Managed
①BaseDB ②ExaDB-XS ③ExaDB-D ④ADB

見積に必要な情報

今回はBase DBに関する必要情報を記載します。

1 エディションの選択 お客様の要件に応じて選択します。
①Standard Edition
②Enterprise Edition
③High Performance
④Extreme Performance 

※Base Database Serviceは、全てのエディションで表領域暗号化機能が提供されます。
エディションが従量制で利用でき、サポート費用もサービス費用に含まれます。
2 利用時間 利用していない間、停止することで費用を抑えることができます。
※ストレージは、課金を停止できません。
3 シェイプ(OCPU/メモリ) お客様の要件に応じて選択します。
選択できるシェイプはオラクル社公式サイトを確認下さい。
4 ストレージ容量 Base DBでは容量が選択式になっています。
データ格納に必要な容量を確認後、それに近い容量を選択します。
5 バックアップ方式 バックアップ方式に応じて、オブジェクト・ストレージの容量を算出します。
6 BYOLライセンスの確認 オンプレミスで使用しているオラクルライセンスの持ち込みの有無を確認します。
BYOL=Bring Your Own License

既に疲れてきました(早いな、おい)。もう知恵熱が出そうです。
みなさん、元気ですか~?!
1のエディションの違いも念のため説明しようと思いましたが、日本オラクル様の大変わかりやすい公開資料がありましたので引用致します。

引用元:日本オラクル様YouTube  価格は2025/3現在のもの

 

すべてのエディションには、Oracle Transparent Data Encryption、Oracle APEX、Oracle Machine Learning、Spatial、およびGraph機能が追加費用なしで含まれています。
Oracle Database 23aiには、AI Vector Search、JSON Relational Duality、True Cacheなどの新機能も追加費用なしで含まれています。

Storage

次はStorageです。
今回はBlock StorageとObject Strageに関して説明します。
見積上の名前は、ブロック・ボリュームオブジェクト・ストレージです。
このあたりの微妙な名前の違いもこんがらがる要素。

ブロック・ボリューム

ディスクのサービスです。HDDやSSDのようなものです。
用途に応じて4つから選択します。

性能タイプ ①より低い
コスト
②バランス
(デフォルト)
③より高い
パフォーマンス
④超高性能 (UHP)
VPU(Volume
Performance Unit)
0 10 20 30~120 (10刻み)
IOPS 2 IOPS/GB
(最大3000 IOPS/vol)
60 IOPS/GB
(最大25,000 IOPS/vol)
75 IOPS/GB
(最大50,000 IOPS/vol)
90~225 IOPS/GB
(最大300,000 IOPS/vol)
スループット 240 KBPS/GB
(最大 480 MB/s/vol)
480 KBPS/GB
(最大 480 MB/s/vol)
600 KBPS/GB
(最大 680 MB/s/vol)
720 ~ 1800 KBPS/GB
(最大 2,680 MB/s/vol)
Performance SLA Yes Yes Yes
1か月の1GBあたりの
価格 (ストレージ+VPU)
¥3.9525 ¥6.5875 ¥9.2225 ¥11.8575 ~ ¥35.5725

価格:ストレージ単価 ¥3.95 x 容量 + VPU単価 ¥0.264 x VPU数 x 容量

通常は「バランス」を選択するお客様が多いです。

オブジェクト・ストレージ

バックアップ、アーカイブ等に使います。
長期保管が必要だけど、普段は使わないものですね。

課金要素は以下の2点です。

  • ファイルサイズ(10GBは無料)
     ¥3.95/GB (Standard Object Storageをご利用の場合)
  • リクエスト数(5万リクエスト/月まで無料)
     ¥0.527/1万リクエスト

よほどのことがない限り、実質無料と思っていただいて大丈夫です!

ブロック・ボリュームは最初にサイズを指定するのに対し、オブジェクト・ストレージは格納した分だけ後から課金されます。

Network

ラスト!Networkです!
みなさん、お付き合いありがとうございます(T T) きっとみなさんの方がお詳しいと思うので…疲れてるのは私だけですね。
Load Balancer外部接続に関してお話して終了です!

Load Balancer

以下の2つから選択します。
一般的にはNetwork Load Balancerを選択します。(通常Load Balancerと言われるのがこちらです)

①Network Load Balancer • 無料
• ただ単にアクセスを複数のサーバーインスタンスに散らす場合はこちらを利用
②Flexible Load Balancer • ベースの課金と帯域幅で課金
• SSLのオフロードなど、高度な処理をさせる場合に利用
外部接続

OCIへの接続にも費用がかかる部分があります。

①インターネット • グローバルIP通信
• セキュリティはFWとSSL通信等で確保
• 通信速度・帯域はベストエフォート
10TB/月を超える外部へのデータ転送が課金対象
②VPN接続 (IPsec) • プライベートIP通信
• IPsecによりセキュリティを確保(認証,暗号化)
• 通信速度・帯域はベストエフォート
VPN接続は無料、インターネット通信料金の対象
• OCIのVPN接続サービス、もしくはソフトウェアVPN等
③FastConnect
(閉域網)
• プライベートIP/グローバルIP通信
• プライベート回線による高いセキュリティ
• 通信キャリアによる速度・帯域・品質の保証
固定額のポート料金のみ課金、データ転送に伴う従量課金なし、回線費用が別途必要

さいごに

いかがでしたでしょうか?
今回はスタンダードなプランですが、構成図から見ていくとしっくりきますよね。
そして、この部分ではこういうことが必要なんだなと理解できたかと思います。

とはいえ、やはり難しいので見積る際はダブルチェック、トリプルチェックしてもらってくださいね!

次回はこれらの情報を元に、見積りツール「Cloud Cost Estimator」を使っていきます。

OCIに関するお問い合わせはこちら

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DBひとりでできるもん運営チーム
DBひとりでできるもん運営チーム
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