Exadata X8M
すでに、多くのメディアでも取り上げられていますが、
先日のOracle Open World 2019で多数の発表がある中で、
Exadataの最新版であるX8M(X8-2M / X8-8M)が紹介されました。
X8のブログ記事掲載時もそうでしたが、
各種マニュアルやデータシートも公開されているものの、
リリースされて間もないこともあり、
現時点では英語版のドキュメントのみ公開されているようです。
今後、日本語版のドキュメントが公開され次第、アップデートさせて頂きます。
ドキュメントの詳細は、以下をご参照ください。
🌟マニュアル
👉https://docs.oracle.com/en/engineered-systems/exadata-database-machine/books.html
👉https://docs.oracle.com/en/engineered-systems/exadata-database-machine/index.html
🌟データシート
👉X8M-2
https://www.oracle.com/a/ocom/docs/engineered-systems/exadata/exadata-x8m-2-ds.pdf
👉X8M-8
https://www.oracle.com/a/ocom/docs/engineered-systems/exadata/exadata-x8m-8-ds.pdf
X8がリリースされてから1年に満たないので、
さすがにX9とはならなかったようで、X8Mというシリーズでした。
なお、Exadata System Software 19.3以降からサポートされます。
X8Mは、X8と比べCPUやHDDといったHWの基本スペックに変わりはありませんが
新しい要素として
・Persistent Memory
・RDMA over Converged Ethernet(RoCE)
の2点がありましたので、紹介させて頂きます。
Persistent Memory
ストレージサーバに、メインメモリとは別に
Persistent Memory(永続性メモリ)が搭載されることになりました。
一般的に、コンピュータはメインメモリとしてDRAMを使用していますが、
高速である反面高価であり、大容量を搭載する事が難しいため、
外部記憶装置として安価で大容量を実現できるHDDを採用します。
こうした中で、安価で大容量且つ高速を実現しようとしたものが、Persistent Memory です。
通常はメモリというと、電源が供給されなくなることで
データが失われるという揮発性のものですが、
Persistent Memoryであれば、電源がダウンしてもデータを失う事ない
不揮発性のメモリであるため、HDDにデータを保存する必要も無くなります。
永続性メモリと言われる所以は、こういった仕組みからくるものです。
以下、Exadataで使われているメモリのイメージです。
※画像引用元:「NEW WITH EXADATA X8M: SHARED PERSISTENT MEMORY ACCELERATION」
https://www.oracle.com/a/ocom/docs/engineered-systems/exadata/exadata-x8m-2-ds.pdf
X8Mには1.5TBを搭載していますが、
廉価版であるXTモデルには搭載されていませんので、ご注意ください。
※画像引用元:「Exadata Server Hardware」
https://www.oracle.com/a/ocom/docs/engineered-systems/exadata/exadata-x8m-2-ds.pdf
RDMA over Converged Ethernet(RoCE)
Infinibandでは、理論上の最大転送速度が40GB/sでしたが、
100GB/sの高速転送を可能にするEthernetの仕組みを利用したネットワーク技術です。
InfinibandからRoCEに変更となったことで、
スイッチもInfinibandから、Cisco Nexus 9336cに変更になりました。
管理スイッチもCiscoですが、型番に変更はありません。
※参考文献「Table 2-1 Oracle Exadata Database Machine Flexible Configurations」
https://docs.oracle.com/en/engineered-systems/exadata-database-machine/dbmso/hardware-components-exadata-db-machine.html#GUID-1C6D6FCA-6B44-42DE-AA64-EA5F9791F9DC
Oracle社のドキュメントによると、Exadata内のコンポーネントを
RoCEのネットワークで接続する事で、今まで以上にストレージのボトルネックを解消でき、
オンライントランザクション(OLTP)処理/分析/IoT/不正の検出/高頻度の商取引のような
最も要求の厳しいワークロードのパフォーマンスを劇的に向上させるとあります。
※参考文献「冒頭箇所」
https://www.oracle.com/corporate/pressrelease/oow19-oracle-unleashes-worlds-fastest-database-machine-091619.html
今まで、ExadataはInifinibandを搭載してきましたが、
理論値で2.5倍もの高速ネットワークを新たに採用したことで、
従来よりも高速な処理が期待できますが、今の時点で新型のExadataを使用したり、
使用したお客様のフィードバックをいただいたわけではないので、
多くの情報をお伝えしたい気持ちは山々ではございますが、
今後有用な情報が入手でき次第、記事を掲載したいと考えております。
まとめ
今回のX8Mでは、新たなメモリが追加され、ネットワークもRoCEとなったことで、
X8と比べて価格面でも変更があると思われます。
価格を含め、技術的な情報について提供されている情報がそろっていないため、
お客様に有益となるような情報を入手次第、随時追加記事を掲載していきたいと思います。
余談ですが、今年度Oracle Cloud Platform (PaaS / IaaS) 認定資格取得者数が
全国で第一位となり、Oracle社に表彰されるという名誉を頂きました。
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投稿者プロフィール
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