はじめに

みなさま、こんにちは。Oracle Linux KVM技術チームです。

今回は、弊社へのお問い合わせ・引き合いが急増している「Oracle Linux KVMおよび「Oracle Linux Virtualization Managerについてご紹介します!

この記事を書いた社員はOCI Certified Foundations Associateを取得しています!

Oracle Linux KVMって?

まずはOracle Linux KVMに関わる用語について簡単にご説明します!

Oracle Linux KVMとは

Oracle Linux KVMとは、Oracle Linuxに組み込まれたオープンソースの仮想化プラットフォームです。
ESXiやHyper-Vなどのように、複数の仮想マシンを構築・稼働させることができます。
Oracle Linux KVM上で稼働できる仮想マシンはOracle Linuxに限らず、Red Hat Enterprise LinuxやMicrosoft Windowsなど多種多様です。

Oracle Linux Virtualization Managerとは

Oracle Linux Virtualization Manager(OLVM)とは、Oracle Linux KVMの管理を行うためのソフトウェアで、KVMホストや仮想マシン、ストレージやネットワークなどのリソースを簡単に管理できるようになります。
ESXiに当てはめると、vCenterのようなイメージです。

エンジンホストとは

エンジンホストとは、Oracle Linux Virtualization Managerの役割を持ったホストです。
エンジンホストは物理サーバー上と仮想マシン上の両方で構築することができ、エンジンホストの構成の仕方によって、メリット・デメリットも変わります。
詳しくは「Oracle Linux KVMの構成」に後述します。

KVMホストとは

KVMホストとは、仮想マシンを管理するためのホストです。
物理サーバー上に構築し、KVMホストを冗長化すると稼働する仮想マシンの可用性を高めることが可能になります。
ESXi に当てはめると、ESXi ホストのようなイメージです。

Oracle Linux KVMの構成

Oracle Linux KVMの構成として「スタンドアロン方式」と「自己ホストエンジン方式」の2つ存在します。
下記でそれぞれについてご説明します!

スタンドアロン方式

スタンドアロン方式は、エンジンホストをKVMホストの外に配置する方式です。
エンジンホストは物理サーバーまたは他の仮想環境で稼働する仮想マシンとして構築します。
KVMホストは1台から構成可能です。

自己ホストエンジン方式(セルフホステッドエンジン方式)

自己ホストエンジン方式は、エンジンホストをKVMホスト上で稼働する仮想マシンとして構築する方式です。
KVMホストを2台以上で構成した場合は、一方のKVMホストが停止しても、もう一方のKVMホストにエンジンホストが自動移行するため、エンジンホストの可用性を高めることができます。
なお、KVMホスト1台でも構築自体は可能ですが、Oracleのサポート対象外になるため注意が必要です。

各構成のメリット・デメリット

それぞれの構成のメリット・デメリットは以下の通りです。

スタンドアロン方式 自己ホストエンジン方式
メリット エンジンホストを稼働させない分
KVMホストの負荷が軽減する
エンジンホストの可用性を高められる
エンジンホスト用の物理サーバーや
仮想マシンを別途用意する必要がない
デメリット エンジンホストの可用性が担保できない
エンジンホスト用の物理サーバーや
仮想マシンを別途用意する必要がある
エンジンホストを稼働させる分
KVMホストに負荷がかかる
それぞれメリット・デメリットがありますが、
最近は特に自己ホストエンジン方式を選ばれるお客様が多いです!

弊社ではどちらの方式も豊富な導入実績がございますので、お客様のご要件・ご要望に合わせて対応が可能です!


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Oracle Linux KVMが選ばれる理由

お客様にOracle Linux KVMが選ばれる理由は主に2つあります!

VMware買収によるESXi ライセンス体系の見直し

2023年11月にVMware社がBroadcom社に買収されたことをきっかけに、ESXi のライセンス体系が見直しされ話題になりました。
そんな中、ESXi からのお乗り換え先としてOracle Linux KVMが多くのお客様から選ばれています。サポートも手厚く比較的安価であることが選ばれる要因の一つになっているようです。
ESXi からOracle Linux KVMへのV2V移行案件も多数実績がございますので、ぜひ弊社にお任せください!

Oracle DBライセンスの最適化

Oracle Databaseを仮想環境で稼働する場合、通常は仮想マシンに割り当てているCPUコア数ではなく、
仮想マシンが稼働する物理サーバーに搭載されている全てのCPUコア数がライセンスアカウントの対象になります。

しかし、Oracle Linux KVMでは、標準機能である「ハード・パーティショニング」を行い仮想マシンに
割り当てるCPUコアを指定することで、ライセンス費用を大幅に削減することができます。

そして、仮想DBサーバーのライセンスアカウントを最適化できるのは、Oracle Linux KVMだけです!(2025年9月時点)

どちらもサーバー運用コスト削減につながる、
お客様にとって非常に耳寄りな情報ではないでしょうか!

Oracle Linux KVMの導入実績

豊富な弊社のOracle Linux KVMの導入実績を一部ご紹介します!

スタンドアロン方式+Oracle Database導入

スタンドアロン方式でKVMホスト2台、エンジンホストは別環境のESXi 上に仮想マシンとして構築しました。
また、弊社DBチームがOracle Database等を構築し、仮想環境全体のご提供をさせていただきました。
仮想DBサーバーではハード・パーティショニングを使用し、Oracle DBライセンスの最適化も実施しました。

自己ホストエンジン方式+ESXi からのV2V支援

自己ホストエンジン方式のKVMホスト2台構成で構築しました。
また、既存のESXi からOracle Linux KVMへのV2V支援として弊社で数台の移行作業を実施後、お客様へ移行手順レクチャーを行いました。

自己ホストエンジン方式+BCP対応

自己ホストエンジン方式で2拠点にそれぞれ1環境ずつOracle Linux KVMを導入しました。
拠点間の共有ストレージの同期により、一方の拠点の災害時にもう一方の拠点で仮想マシンを稼働させることができるよう設計構築を行い、BCP試験まで実施しました。

おわりに

今回は大注目のOracle Linux KVMについてご紹介させていただきました。
Oracle Linux KVMの概要や導入のメリットについてお分かりいただけたかと思います!
詳細やご不明点については、お気軽にお問い合わせください!


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投稿者プロフィール

技術チーム
技術チーム
DBひとりでできるもんを盛り上げるべく、技術チームが立ち上がり早8年。ひとりでできるもんと言いつつ、技術者が読んでプッとなるような、極めてピンポイントでマニアックな技術ネタを執筆しています!
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