目次
はじめに
みなさん、こんにちは
Oracle Exadataカテゴリの記事を執筆している技術者です。
直近はOracle Cloud系資格4冠達成しました!に登場しました
去年(2021年)、Exadata X9Mのオンプレミス、Exadata Cloud@Customerがリリースされましたが、2022年4月に
OCI上で利用可能なExadata Cloud Infrastructure X9Mのリリースがありましたので紹介致します。
当ビジネスブログでもOracle Exadataの記事は常に人気です。
是非過去記事もご覧下さいね。
Exadata X9M最新情報
オラクル社からのプレスリリースには、以下のように紹介されています。
- 1世代前のX8Mと比較すると、2.5倍のデータベース・コア、87%高いOLTP IOPSによってクラウド上のデータベースOLTPワークロードの高速化を実現
- 80%高いスキャン・スループットと28%多くのキャパシティを使用して、データベース・アナリティクスをより速く、より大きなデータセットで実行可能
また、クラウドサービスを提供している他社と比較して、以下の優位性の紹介もありました。
- 19マイクロ秒以下のIOレイテンシを実現し、これはAmazon RDSで提供される0.5ミリ秒(500マイクロ秒)のレイテンシの25分の1で、Microsoft Azure SQLで提供される1ミリ秒のレイテンシの50分の1に相当する
- 最大2,880GB/sのアナリティクス・スキャンの集約スループットを提供し、これは単一Azure SQLインスタンス(21GB/s)の137倍で、Amazon RDSインスタンス(7.5GB/s)の384倍高速なスループットに相当する
Exadata Cloud Infrastructure X9Mがリリースされましたので、情報集約として旧バージョンおよびX9Mのシェイプ情報をExadata 性能についての記事に反映しました。
オンプレミスとの比較資料としてご参照ください。
X8M以降では、1/4のシェイプのみが用意されており、サーバ数を増やす場合はElastic構成から必要に応じてサーバ数を増やしていくことになるようです。
DBサーバは 2~32台、ストレージサーバは3~64台の範囲で拡張できます。
詳細はオラクル社のドキュメントをご確認ください。
クラウドとオンプレミスの違い
オンプレミスのExadataは、今まで最新バージョンがリリースされる毎に記事にしてきましたが、クラウドについてはあまり触れていなかったため、今回は
クラウドとオンプレミスの違いやメリット/デメリット
について、個人的にピックアップしました。
以下はクラウドに関することを記載しています。
Exadata環境のメンテナンスについて
OCI環境のHW保守はオラクル社管理で、HW障害が発生してもユーザが対応する必要が無く、運用コストを抑えることができます。
ユーザの管理範囲は、OS/DB/Clusterwareです。
オラクル社によって、四半期ごとにHWメンテナンスが行われます。
縮退メンテナンスのため、DBが完全に停止することはありませんが
特定ノードで実行しているアプリケーションがある場合や、縮退時はパフォーマンスに影響があるため、メンテナンス時はシステムを停止することをおすすめします。
なお、予定されているメンテナンス日時に不都合がある場合は、管理画面からリスケジュールできます。
ディスクグループについて
OCIのディスクグループ冗長化は3重化で固定されています。
オンプレミスのようにグリッドディスク/ディスクグループを自由に再作成することは出来ません。
メンテナンスで述べたように、ストレージサーバ(HW)の管理範囲がオラクル社であるため、変更が許されていないのだと思われます。
補足として、冗長化は変更できませんが、CLIツールでストレージサーバの情報確認は可能です。
また、プロビジョニング時にディスクグループの構成を選択する際、単一ディスクグループのみを選択するといったことが出来ません。
具体的には、以下の表にあるパターンから選択することになります。
現状のデータ量/アーカイブ容量等を元に、使用量の割合を確認した上で、適宜検討頂ければと思います。
構成の設定 | DATA DG | RECO DG | SPARSE DG |
---|---|---|---|
Exadata Storageの Database Backup: いいえ SPARSE DG: いいえ |
80% | 20% | 0% |
Exadata Storageの Database Backup: はい SPARSE DG: いいえ |
40% | 60% | 0% |
Exadata Storageの Database Backup: いいえ SPARSE DG: はい |
60% | 20% | 20% |
Exadata Storageの Database Backup: はい SPARSE DG: はい |
35% | 50% | 15% |
BaseSystemの提供について
オンプレミスの1/8ラック相当を検討する場合、クラウドではBaseSystemを選択することになります。
ただ、シェイプ共通のため明確なリリースバージョンの情報が不明であり、詳細はオラクル社に確認したほうがよいと思います。
リージョンによってどのリリースバージョンであるかの違いはあるのかもしれませんが
バージョンによってCPUの性能がかなり違いがあり、古いリリースだった場合、高性能を期待して移行してもパフォーマンスがアップしていない可能性があるためです。
まとめ
過去の記事にて、X9Mでは旧バージョンと比べ、容量の増加やパフォーマンスが大幅にアップしていることを紹介しましたが、それがオンプレミスに加えてクラウドでも利用できるようになりました。
クラウド環境では、オンプレミスの時のようなOracleソフトウェアのインストール、DBの作成、場合によってはGriddiskやディスクグループの再作成といった煩雑な構築作業は不要で、OCIコンソールから数ステップで簡単にプロビジョニング出来るので、すぐに使用可能です。
また、旧バージョンから価格の変更はなく、自前のデータセンターも不要です。
このように、高速/大容量/初期導入が容易/低コストといった複数のメリットがあります。
※低コストについて、クラウドは課金制ですので、長期間使用し続けるといつかはオンプレミスの時よりもコスト高になるかもしれません。
クラウド環境のExadataには、OCPUやVCNのように、まだいろいろな特徴がありますが、今回は割愛させて頂きます。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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再版権の取得については、こちらの記事で紹介していますので、ご参照下さい。
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