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Oracle Database 19c の SE RAC サポート終了
みなさん、こんにちは🤗
前回、大変!どうする?Oracle Database 19c の SE RAC サポート終了で、対応策を紹介しましたが、ご覧いただけましたでしょうか?(おさらいの為に今一度、お目通し頂けると今回のお話がわかりやすくなると思います🍀)
費用面、機能面等、考慮すると悩ましいですよね。。。
前回はOracle Database 19c の SE RAC のサポートが終了したことによる、対策案としてどんなものがあるの?そのメリット、デメリットは?という大枠の紹介でしたが、今回は
より具体的に検証した当社おススメ対策案をみなさんにお伝えしていきます。
プラチナホルダー_江川をはじめ、運営会議メンバで検証👀
当社おススメ案の前にSE singleのリスクを説明します!
SE singleで発生した事象
過去にSE singleでこのような事象が発生しました。
その際のリスクや改善するための推奨構成をあわせてお伝えします。
※決してSE singleがダメだ!ということではありません、システムにあわせて活用くださいね。
みなさまの環境でもこういったことはありませんか?🤗
項目 | 事象 | 起こりうるリスク | 推奨構成 |
---|---|---|---|
1 | 同時接続数が瞬間的に上がる | CPUが100%で張り付き、リスナー停止/プロセスハング等、不安定化 | RAC 化でNode分散 EE SingleでCPU追加 |
2 | データ量が数TBある | データ増加に伴う処理遅延 | パラレルSQL |
3 | 履歴Table等の大量データが増えていく | Select処理遅延や過去データのDelete処理遅延に伴うシステム全体のSlowダウン | RAC OptionのPartition Tableの導入 |
4 | Online処理中にバッチ処理が走る | バッチ処理遅延に伴うシステム全体のSlowダウン | RAC 化、EE Single化で複数CPU |
5 | 未使用のCPUが存在 | SE2はCPUのスレッド数が16に制限。CPU全体としては使用率が低いが未使用のCPUが存在しておりDBサーバとして消化不良 | EE化でスレッド数の上限撤廃 |
Oracleの処理で1番コストがかかる場所はリスナー経由での接続
上記項目1の補足説明です。
Oracleの処理で1番コストがかかる場所はリスナー経由での接続である為、 RAC 化でNode分散や、ER SingleでCPU追加を推奨します。
RAC → Single化すると、こんなリスクがあります💦
先程の説明がは元々SE singleという環境で発生した事象ですが、今回は元々 RAC だったものをsingleにした場合です💦
大項目 | 中項目 | SE-RAC | Single | Singleの場合の代案 |
---|---|---|---|---|
高可用性 | サーバ障害 | ◎ | × | RAC /HA |
高可用性 | プロセス障害 | ◎ | × | RAC /HA |
性能 | ー | 1.0
SE RAC を1.0としたとき |
0.7 | キャッシュヒット率100%化 |
パッチ | サービス稼働 | 100% | 0% | パッチの種類にもよる |
Disk I/O | ー | ASM | Filesystem | Flash化による高速化 |
代案はあるにしても、元々 RAC だった場合、single化はリスクが高いですよね😱
それではお待ちかね!ずばり、当社おススメ対策案はコレだ😊
Enterprise Edition(EE)の場合に3案、Standard Edition(SE)の場合に1案紹介します❗
EEのメリットや、HA+DR構成の詳細は前回の記事を確認くださいね😊
EEの場合
いずれもCPUの拡張がすぐに行えるコストメリットの高い構成です👀
概算コスト箇所は本当に概算なので(少しお高く見えます)、もし、みなさまの環境で概算金額が知りたいという場合はお見積します。
こちらから連絡くださいませ。
構成案 | 概算コスト(定価、お値引き前) | お勧め | ||
---|---|---|---|---|
案1 | ODA環境を構築し、EE RAC 構成 ※Oracle SW保守未加入の場合は購入不可 |
高 | 約3,500万~ | |
案2 | Oracle VM環境を構築し、EE RAC 構成 ※VM3:2021年3月保守終了😱 Extended Supportされるなら、2024年まではもつ❗代案として・・・・ ★Oracle Linux KVMがOracle 19cからサポート開始です。 ★Oracle Cloud Infrastructureの基盤としてORACLE社で既に活用されています。 |
高 | 約3,900万~ | |
案3 | Oracle Cloud環境を構築し、EE Single構成 | 低 | 約300万円~ |
SEの場合
SE singleでもシステムが問題なく稼働できる場合は、Dbvisit Standbyを用いたHA構成がおすすめです🤗
案 | 構成案 | 概算コスト(定価、お値引き前) | お勧め | |
---|---|---|---|---|
案4 | HA + DR 構成 ※Oracle ClusterとDbvisit Standbyを使用したHA化+DRを構築し、DRをパイロット環境として有効活用(Lifekeeper/OFS不要)★Dbvisit Standbyすごいですよっ😊 今後アップしていきますので、そちらもお楽しみに。 |
中 | 約2,650万円~ |
それでは、一つずつ具体的に見ていきましょう👀
当社おススメ対策案を具体的に紹介🍀
オープン価格のものは、一旦概算で作っています。
案1 ODA環境を構築し、EE RAC 構成
Oracle Database Appliance(ODA) を用いた案です🌸
●11gR2導入可能
●Single/ RAC /HA選択可能
●DBサーバ(2RU)、Storageサーバ(4RU)がセットで6RU
●使用可能CPU 2Coreから選択可能。CPUはFull(64Core)で搭載されており、使用する分だけ申請しコマンドで有効化可能
必要なもの | 定価 | 数量 | CPU係数 | 定価 |
---|---|---|---|---|
SI(ODAセットアップ/ RAC /RMAN/移行) |
4,500,000円~ | 1 | – | 4,500,000円~ |
Oracleライセンス | 5,700,000円 | 4 | 0.5 | 11,400,000円 |
RAC ライセンス | 2,760,000円 | 4 | 0.5 | 5,520,000円 |
ODA本体 | 10,000,000円 | 1 | – | 10,000,000円 |
Oracleライセンス保守 | 1,254,000円 | 4 | 0.5 | 2,508,000円 |
RAC ライセンス保守 | 607,200円 | 4 | 0.5 | 1,214,400円 |
ODA 保守 | ー | ー | ー | お問い合わせくださいませ。 |
合計 | 35,142,400円 ~ |
※この金額にはODA保守の費用が含まれていません。
※お問い合わせ頂いてからのお見積の為、実際はもう少し高くなります。
ライセンスが超高く見えますが、あくまで定価ですのでご安心ください、最大限のお値引きします😊
画像引用元:オラクル様
案2 Oracle VM環境を構築し、EE RAC 構成
Oracle VMを用いた案です🌸
●CPUが2つ搭載可能なDBサーバを導入し、OracleVM環境を構築 1台当たり2Coreを割り当てる
●CPUネックの場合はライセンスを追加購入頂き、割り当て可能
●SE SingleのDBもあれば、新規ゲストOSを立てて統合可能
必要なもの | 定価 |
---|---|
SI(インフラ:OVM/ゲストOS、DB: RAC /RMAN/移行) |
7,500,000円~ |
HW本体/HW保守 | 11,000,000円~ (DBスペック/Storageにより異なります) |
Oracleライセンス(EE RAC /SE Single)&保守 | 20,642,400円 |
合計 | 39,142,400円 |
現時点では、2021年3月でプレミアサポート終了⇒Sustaining Support(パッチ、バグ調査はなし、既存ナレッジで調査はする)となる予定ですが、Extended Support(延長サポート)有無は2020年の秋ごろにわかるようです。
OracleVMのライセンス自体が安いので、Extend Supportを締結して3年もたせるか、元々、OracleVMでのトラブルはないので、みなさまに許容頂くかになります💦
案3 Oracle Cloud環境を構築し、EE Single構成
Oracle Cloudを用いた案で、今までと異なりsingle構成です🌸
●IaaSでDBサーバを 1台当たり2Coreを割り当てる
●CPUネックの場合はCPUの追加可能
一気にお安くなる案です👀
必要なもの | 定価 |
---|---|
SI(インフラ:仮想OS/VPN、DB:Single/RMAN/移行) |
3,000,000円~ |
HW | 0円 |
Oracle Cloud利用料 | Core数次第 |
合計 | 3,000,000円~ |
※この金額にはOracle Cloud利用料が含まれていません。
※お問い合わせ頂いてからのお見積の為、実際はもう少し高くなります。
案4 HA + DR 構成
Dbvisit Standbyを用いた案です🌸
●CPUが2つ搭載可能なDBサーバを導入。Dbvisit Standbyを最大限活用し、HA化+DR環境構築
●Oracle ClusterwareのACFS機能を使用しHA化の実現(Lifekeeper/OFS不要)
●DR環境はDbvisit StandbyのSnapshot Database機能を使用し、DR同期を継続させながら、テスト環境やパイロット環境として、Read/WriteモードでDB起動可能。※Linux環境で有効オプション
必要なもの | 定価 |
---|---|
SI(インフラ:OS/Storage、DB:Single/Dbvisit Standby/移行) | 7,000,000円~ |
HW本体/HW保守 | 9,000,000円~(DBスペック/Storageにより異なります) |
Oracle ライセンス、Dbvisit Standbyサブスクリプション | 10,500,000円~(Dbvisit StandbyはOpenプライス) |
合計 | 26,500,000円~ |
ん~、色んな案がありますね。みなさまのところでは、何を重視されますか?😊
いかがでしたでしょうか?
何を重視するかによりますが、ヒントになれば幸いです。
お困りのことがございましたら、どんな些細なことでもお気軽にお問合せくださいませ😊