目次
はじめに
こんにちは、技術チームです!
今回はOracle Database Appliance(以下ODA)の管理系コマンドを紹介します。
ODAってなんでしたっけ?
という方は「Oracle Database Applianceの概要」を先にご覧になってみてください!
登場人物プロフィール
甲
株式会社システムサポート インフラソリューション事業部の永遠の若手社員。
好きな言葉は「当社」。
乙
甲と同期の社員。「貴社」よりは「御社」派。
最初に二人のショートストーリーを挟んでいます。ご覧ください🍀
ODAは簡単にDBが作れて便利!でも注意!! 作って終わりじゃないよね…
甲「どうしたの?乙。頭を抱えて。」
乙「この間先輩に言われてODAに部門用のDBを作って使っているんだけど、運用中のシステムの状態が問題ないか今後月イチで報告してくれって言われちゃって・・・。
DBの状態は別のDBからSQLスクリプトを流用できるから問題ないんだけどその他のシステム情報の集め方を1から準備するには時間がなくて困ってるんだよ。」
甲「フムフム。なるほどね。きちんとした報告をするための監視設計にはそれなりの時間がかかるし、当面は既にODAに組み込まれている機能を利用するのはどうだろう。」
乙「もっと詳しく教えてくれ!」
と、言う訳で今回はODAに既にある管理系の機能を紹介したいと思います。
ODAの管理機能
ILOM
ILOM を簡単に説明するとOSとは別にハードウェアに内蔵されている機能で、 ILOM 用のネットワーク設定を実装している場合、OSのSSH機能とは別にODAにリモートアクセスすることが可能です。リモートからのOS停止・起動ができる点が便利ですが、同様に ILOM のログインプロンプトから以下のコマンドを打つだけで、ハードウェアの状態確認が簡単に行えます。
※シリアルコンソールからRC232cケーブルによるシリアル接続でも接続可能です。
イメージ1;ILOM show faulty実行
-> show faulty
Target | Property | Value
------------------------------+-----------------------------------+-----------------------------
※何も表示されていなければ正常。 障害がある場合は検知日時や障害箇所、障害内容が表示される。
シンプルでわかりやすいですね!
OSWatcher
OSWatcherとはvmstatやmeminfoといったUNIX系OSにはなじみの深いOS確認コマンドを定期的に収集・格納してくれる機能です。
イメージ2;OSWatcher概要
;常駐プロセスにより、概ね22~23日分のデータを保存している。 # ps -ef |grep osw root 9315 1 5 Feb02 ? 21:50:38 /bin/sh ./OSWatcher.sh 10 528 gzip /opt/oracle/oak/oswbb/archive … ;以下ディレクトリ名から「osw」を除外したコマンド部分に関連した情報を1秒~1分といった単位で収集している。 # ls /opt/oracle/oak/oswbb/archive oswiostat oswmeminfo oswmpstat oswnetstat oswprvtnet oswps oswslabinfo oswtop oswvmstat
イメージ3;OSWatcherが収集するデータ
;iostat例 1時間毎に.datファイルがgzファイルに圧縮される。 # cd /opt/oracle/oak/oswbb/archive/oswiostat # ls -ltr | tail -4 total 8380 -rw-r--r-- 1 root root 15801 Jun 18 12:59 oak_iostat_21.06.18.1200.dat.gz -rw-r--r-- 1 root root 15776 Jun 18 13:59 oak_iostat_21.06.18.1300.dat.gz -rw-r--r-- 1 root root 15589 Jun 18 14:59 oak_iostat_21.06.18.1400.dat.gz -rw-r--r-- 1 root root 35435 Jun 18 15:09 oak_iostat_21.06.18.1500.dat ;gzファイルはzlessコマンド等で直接参照も可能。 # zless oak_iostat_21.06.18.1400.dat.gz Linux OSWbb v6.0.1 zzz ***Fri Jun 11 10:00:07 JST 2021 avg-cpu: %user %nice %system %iowait %steal %idle 3.29 0.00 15.45 0.00 0.00 81.26 Device: rrqm/s wrqm/s r/s w/s rkB/s wkB/s avgrq-sz avgqu-sz await r_await w_await svctm %util sdb 0.00 56.00 0.00 143.00 0.00 763.00 10.67 0.19 1.34 0.00 1.34 0.06 0.90 nvme1n1 0.00 0.00 15.00 11.00 209.00 135.50 26.50 0.00 0.12 0.13 0.09 0.12 0.30 nvme0n1 0.00 0.00 24.00 11.00 353.00 135.50 27.91 0.00 0.09 0.04 0.18 0.06 0.20 sda 0.00 56.00 2.00 143.00 1.00 763.00 10.54 0.20 1.39 0.50 1.41 0.05 0.70 …
自動でローテーションしてくれるから
ディスク圧迫が加速する心配もありませんね!
その他の構成情報確認コマンド
その他、以下のコマンドでもODAの機器情報の取得が可能です。
# /opt/oracle/dcs/bin/odacli describe- component
→ ODA上に実装されているコンポーネントに関するバージョン情報が取得可能。
# /opt/oracle/dcs/bin/odacli describe- appliance
→ 作成済みアプライアンスやシステム、DiskGroupに関する構成情報が取得可能。
# nvmeadm list -v
→ SSDに関する構成情報が取得可能。
パラメータシートを作るときにすごく便利ですね!
その後
甲
人からの教えを貪欲に吸収してどんどん成長していく乙。いつの間にか大きな存在となった乙に対して特別な感情が芽生え始めるが、それはまた別のお話。
乙
今回の件で構築するだけではなく、運用後も見据えた提案力を高めることの大切さを学んだ乙。今日も顧客のニーズと正面から立ち向かう日々を送っている。
続く…?
まとめ
ODAが初めから持っている機能の一部を紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。
この他にもTFA(trace file analyzer)の様に、ODAの内部にある監視・性能情報収集機能は随時バージョンアップされ、機能が強化されています。
統合監視の準備ができていない時期の監視や月次の運用報告、パラメータシート作成の際に上手く流用することで作業負荷を大幅に削減することができるので、積極的に活用して頂ければと思います!
当社には運用のスペシャリストが多数在籍しております
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